コラム

暑い季節に!水遊び・お風呂遊びで子どもの能力を伸ばそう

2021.08.27 / 最終更新日:2022.02.01

子ども達は、水遊びが大好きな子が多いですよね。
暑い時期だけの遊びと思う方も多いかもしれませんが、実は、年間を通して楽しむことができるだけでなく、子どもの成長にたくさんのメリットがあります。

今回は、水遊びが子どもの発達にどんな効果があるか?についてまとめました。

水遊びが感覚を刺激する

幼少期の水遊びは、五感への刺激を始めとして、様々なメリットがあります。
まず、子どもの成長の観点から見ると、下記の5つが挙げられます。

水遊びが子どもの発育に与えるメリット

1. 五感への刺激
2. 全身の感覚器の発達
3. バランス感覚の発達
4. 身体能力の発達
5. 様々な体験
6. 信頼関係の構築

感覚の発達や、身体能力、情操面にも良い影響があることがわかります。

1.五感への刺激

水遊びでは、皮膚にヒンヤリとした刺激を与えます。
冷たい刺激を一気に全身に感じることができ、子どもたちは「冷たい」を感じたあとに、だんだんと冷たさに慣れてくる感覚や、お風呂とはまた違う、水が肌に触れる感覚を学んでいきます。

この刺激が好きな子もいれば、最初は怖くて嫌がる子もいます。
お子さんの反応を見ながら、無理強いすることなく少しずつ慣れていけるよう、まずは足湯のように、足をチャプチャプさせるところから始めるのも良いでしょう。
水をすくって手足にかけるところから始めるのも、スモールステップで慣れていくのに効果があります。

怖くないことに、その子のタイミングで気がつけたら、その後は自分でどんどん遊び始めるでしょう。

2.全身の感覚器の発達

手のひらや腕、足、お腹、顔や耳など、とにかく体全体で水に触れることができるため、様々な感覚器に同時に刺激を与えることができます。
その刺激で「気持ちいい」という快感を得たり、「まだ怖い」と思ったり、子どもによって反応が様々あるはずです。

そのように身体の様々な部位に同時に刺激が入ると、感覚器をバランス良く発達させていくことができます。
感覚器の発達は、子ども一人ひとりデコボコしているイメージで、個人差があります。そのデコボコバランスを整える効果も、水遊びに期待することができます。

バランス感覚の発達

プール遊びや、噴水や小川などで遊ぶとき、水の中では浮力が働き、普段と違うバランス感覚が必要になります。

自分の身体をプールの中で立たせたり、移動するときには、いつも通りにしているとすぐに転んでしまったり、水に流されてしまうことも学ぶでしょう。

時には怖い思いをすることもあるかもしれません。
その経験によって、水の中でどう動いたら良いかを学んでいくことや、状況に対応して身体を使っていくことを覚えていきます。

また、水は子どもがイメージしているのとは違う動きをすることもあり、目でしっかりと見て、その場で対応する力も育むことができます。

身体能力の発達

大人も子どもも、水遊びを思いっきりしたあとは、身体がどっと疲れているのではないでしょうか。

実は水の中で動き回るだけで、普段の生活よりもたくさんのエネルギーを消費します。
浮力の働いている中で身体を動かすので、筋肉や体力の向上にも繋がります。

さらに、心臓などの臓器も筋肉でできていますので、心肺機能の向上も期待することができます。

様々な体験をすることができる

自由自在に形が変化する水で遊ぶことで、子どもたちは様々な経験をすることができます。

例えば水風船で遊ぶと、まず水はビニールの中にたまって、外に漏れ出てこないことを学びます。
そして、水風船が人や地面に当たると、破けて中から水が出てきてしまうこともわかります。
水を中に入れすぎてしまうと、破裂して破けてしまうこともありますよね。

子どもたちは水風船が大好きですが、純粋に面白い!というところが入り口でも、その遊びを通して、たくさんのことを学んで行きます。

冷たい水、ぬるい水、温かい水など、温度の変化を学ぶこともできます。
温度が変化しても水のかたちは変わらないのに、冷凍庫で凍らせると、固い氷になってしまうことなど、小学校の理科などで学ぶことの基礎を、遊びを通して学ぶことができます。

このように、幼少期に遊びを通して学びの小さな種まきをすることが、将来的に学校で実際に学習した時に知識として結びついていきます。
このような体験が、物理に興味を持ったり、素材に着目して化学に興味を持ったりするお子さんもいることでしょう。

また、流れるプールや、川や海などでは、子どもが予想していないような強い力で流されそうになったり、深さがあって足が届かなくなってしまったりすることもあるかもしれません。

大人がしっかりと見守りながら、安全についても学んでいくことができます。
「ここは波があるから危ないかもしれない」と子ども自身が考えることができるようになったりするなど、危機管理能力が育まれていきます。

子どもからそういう言葉があった時は、「とても大事なことに気がついたね」と、ぜひ声をかけてあげると、子どもの自己肯定感も育まれていきます。

信頼関係の構築

大人と一緒に水遊びをしたり、友達や兄弟など子ども同士で遊ぶ中で、水の心地よさや、楽しさ、冷たさなどを共有することで、人と関わりながら遊ぶことになります。

水鉄砲で打ち合ったり、じょうろで水を掛け合ったりして遊ぶ中でも、相手の反応を見ながら遊ぶことになります。
その中で、楽しく遊ぶ経験をしたり、自分や相手が痛い思いをして失敗をすることもあるかもしれません。
そのような経験の中で、「人と楽しく遊ぶ」ことを学んでいきます。

時には子ども同士でケンカになってしまうこともあるかもしれませんが、そういう時には子どもたちの話をよく聞いて、何が嫌だったか、どこまでだったら楽しかったのか、整理してあげると良いでしょう。

子どもの困った行動を和らげる効果もある?


水遊びには、子どもの衝動性や攻撃性を和らげるような、治療的な効果があるという研究結果があります。

衝動性や攻撃性って?

何か合った時に、子どもが暴れてしまったり、他のお友達や人を叩いてしまったり、噛み付いたりする行動に悩まれているご家庭もあるかもしれません。

怒ったりパニックになった時に、自分の行動をコントロールできなくなってしまい、何をしても落ち着かなくなってしまう状態になることもあるかと思います。

これらは、いわゆる「攻撃性」「衝動性」と言われ、誰しもあるものですが、人によって強かったり、限りなくゼロに近いくらい弱い人もおり、人それぞれです。

親の立場からすると、これらの行動は困ったものではあるのですが、この場合、どうすることもできずに困ってしまっているのは、実はお子さん自身です。

このような攻撃性や衝動性が出てしまうときには、どんなお子さんでも理由があります。

自分の気持ちや意思を言葉で伝えることがまだ難しかったりする時に、嫌なことの意思表示をしていたり、エネルギーが有り余ってどこに向けたら良いかわからないなど、様々なパターンが考えられます。

そのような、いわゆる「攻撃衝動」を和らげていく効果が、水遊びには期待できます。

どうして治療的効果があるの?

Hartleyの研究では、継続的な水遊びで、子どもの攻撃衝動を和らげる効果があるという報告がされました。

研究で行った水遊びの内容は、ボトルの水を小さなバスタブに注いだり、ペットボトルシャワーを顔にかけたり、水を床に撒き散らしたりなどの、ごくごくシンプルな水遊びです。

それらの遊びを通して、子どもたちは、衝動性や攻撃性を表現し消化しながら、開放的な気持ちで思い切り楽しんで遊ぶことができます。
攻撃性や衝動性が遊びの中で和らいでいくため、心が落ち着く効果があったと報告されました。

年齢別にできる水遊び

水遊びを楽しくしてくれるアイテムは、年齢によって様々です。
水遊びは、子どもたちが予想もしない水の動きがあったりするため、大人が見守りながら、年齢に合った遊びができるようにすると良いでしょう。

3ヶ月頃:ぷかぷか浮かせるマスコット


水遊びは何歳からできますが、3ヶ月ころはまだまだ見て楽しむおもちゃが適しています。
水に浮くマスコット人形などを用意してみると、興味を持って目で追いかけて楽しむことができます。
カラフルな色付けがしてあるものもたくさんあります。

「お風呂や水遊びの時には、大好きなお魚さんに会える」と認識すると、より楽しいものになるでしょう。

注意点としては、口に入って飲み込めるようなサイズよりも、大きな物を選ぶことです。
一般的には、ラップなどの芯を通り抜けてしまうサイズは飲み込めてしまうので、避けたほうが良いとされています。

10ヶ月頃:ビルディングカップ


こちらは様々な色、形、大きさのカップです。
この形のおもちゃは、たくさんの種類もあり、お部屋の中でも、お外でも、水遊びの中でも使うことができる汎用性の高いおもちゃです。

逆さにして重ねたときにズレてしまわないように、カップの底面に溝がついているものもあります。

積み上げたり、重ねたりして遊んで楽しめますが、お水を入れて運んだり、カップからカップに水を移し替えたりして遊ぶことができます。

大きなカップの水を小さなカップに入れると、全部はいらずに溢れてしまうことや、お水を入れたカップに小さなカップを入れるとお水が溢れてきたりすることで、水のかたちが様々に変わることを楽しんで学ぶことができます。

さらに、底の部分や外側に波線や直線などの模様がついているものもあり、パターンが違う模様を粘土などに押して遊ぶこともできる、赤ちゃんの創造性や好奇心を引き出してくれます。

1歳頃:自分で動かせるおもちゃ


1歳頃になると、自分がお水をかけると動いたり、「自分がなにかすると動く」というおもちゃの面白さを理解できるようになります。

このおもちゃは、上から水を入れると、水の勢いによって魚たちがゆっくり動いたり、早くなったり、子どもの想像力・発見力を引き出してくれるお風呂の遊び道具です。

どのくらいの量の水を入れたら、魚がどう動くか、違いがあるかなど、子どもが簡単に工夫して動きを観察することができるおもちゃでもあります。

裏面は壁にくっつく吸盤になっているので、ご家庭の壁につけて楽しく遊ぶことができます。

1歳頃:1つで2種類の乗り物遊び


水に浮かばせたり、沈めたりして、2種類の乗り物に変身するバストイです。

お水にプカプカ浮かべると、ボートに変身します。
上から水を入れたり、手で沈めたりしても浮かんでくるので、水の浮力を体験しながら楽しく遊ぶことができます。
水の浮力を楽しみながら遊ぶことができるでしょう。

また、船の上部を引っ張ると、中に水が入ってゆっくりと沈んでいき、潜望鏡だけが水面から出る潜水艦に変身します。

ついさっきまではプカプカと浮いていたのに、少し引っ張るだけで潜水艦に変わるバストイを通して、子どもたちはいろんな場面を自分で想像して遊ぶこともできます。
物語を自分で作って、おしゃべりしながら遊ぶ子もいるかもしれません。

勢いよく沈ませると、空気が気泡とともに音を出して水面に出てきたり、水中から持ち上げるとシャワーのように本体の穴から水が出てきたりもします。
様々に形を変える水の特性をうまく利用して、長く遊べる玩具です。

2歳頃~:バスステッカー


水に濡らすと壁に張り付く、ステッカーのセットです。

海の生き物がモチーフとなっているステッカーでパズル遊びをしたり、鏡の中に自分を写したり、海の生き物と自分を一緒に写したりして、楽しく遊ぶことができます。

ひらがなや、アルファベット、地図など様々な種類があるので、遊びながら学習効果も期待できます。

年齢によって、物語を作ってそれに沿ってステッカーを並べたり、自分なりにカラー配置を決めて並べたりして、想像力を育みます。
そのような工夫に気がついたときには、「これはどんな風に並んでるの?」「好きな青をたくさん並べたのかな?」などの声掛けをしてあげましょう。

子どもが自分で作った世界のことを説明してくれるようでしたら、ぜひ聞いて「その子のイメージする世界」を一緒に想像して楽しみたいものです。

3歳頃~:アルファベット・フィッシング


水にプカプカと浮かべたアルファベットなどのモチーフを、魚釣りの要領で釣り竿で釣って遊ぶ玩具です。

同じ色を集めて釣ったり、アルファベットを覚えてきたら、順番に釣ってみたり、ルールに工夫をすると様々な遊びが広がります。

また、水に浮かんで動いていくものを釣り上げるため、必然的に目の前のアルファベットに集中することになります。

子どもの集中力を高め、さらに釣り上げた時のできた!という感覚が自己肯定感を育みます。

3歳頃~:ボートの水中メガネ


ボートの底が透明になっていて、水中を観察することができる水中メガネです。

自分の顔を水につけることなく、水の中の世界を見ることができるため、まだ水に顔をつけることに怖さを感じるお子さんも楽しく水中観察することが可能です。

どんなところでも水中観察ができるので、海や川、プール、お風呂など、どこへでも持ち込んで遊ぶことができます。
このメガネを持ってどこに行こう?とお子さんと一緒に計画を立てることも、発想力や、知っている場所を思い出して計画する力を育むことにもつながります。

水の中を観察することで、水の動きに興味を持ったり、水中の生き物の観察もすることができます。
観察した生き物を、あとで図鑑や絵本で探すこともできますし、こういった体験が、将来的には生物の学習に興味を持つきっかけになる子もいます。

まとめ

水遊びは、子どもの発達にたくさんのメリットがあることがわかりました。
まずは楽しみながら遊ぶことで、感覚統合にもつながり、心や身体の成長や安定につながっていきます。
年齢や、お子さんの興味関心を広げる水遊びのおもちゃもたくさんありますので、ぜひ色々と試してみてくださいね。