2024.01.16 / 最終更新日:2024.01.16
前回の記事では、地震への対処法をお話しました。
地震によって受ける体や心への負担を少しでも減らすためには準備が大切です。日ごろから「いざというとき、どうしたらいいか?」を考え、備えておかなくてはなりません。もし、あなたが子どものそばにいないときに、巨大地震が起きたら…と考えたことがありますか?
今回の記事では震災が起きる前に準備すること、子どもに話しておきたいことをまとめました。
【家具の固定】
地震によって家具が転倒することを防ぐために、大きな家具や家電製品は固定することが重要です。たとえば、本棚や冷蔵庫、テレビなどが該当します。
特に寝ているときの地震に備えて、寝室の対策は念入りに行いましょう。
方法としては、耐震用突っ張り棒などの他に、家具と天井の隙間がないように収納ケースなどで埋めてしまうことも効果があります。
【窓ガラスの強化】
地震の際には冊子がゆがみ窓ガラスが割れることがあります。割れにくいガラスへの交換や、飛散防止フィルムの設置が有効です。
【物の保管】
壊れやすい物品や重要な書類、非常用品は、低い位置に安全に保管しましょう。棚の中身が飛び出さないように、扉や引き出しにストッパーやフックを付けることをおすすめします。食器の下には、滑り止めシートを敷いておきましょう。
【通路の確保】
避難経路となる導線は物が倒れて塞がらないようにしておきましょう。地震時は最初の10秒が大切です。迅速な避難が求められるため、通路に物を置かないようにしましょう。
非常時に備えて、すぐ持ち出せる場所に飲料水、保存食、救急セットなど必要なものを準備しておきましょう。
最近注目されているのが「日常備蓄(ローリングストック)」という方法です。
これは、普段から食べている食料品や、使い慣れている日用品を少し多めに購入しておき、賞味期限の近いものから使い、使った分だけ買い足すことで常に一定量を家庭に備蓄しておく方法です。備蓄食料の賞味期限切れを防ぎ、日頃から食べ慣れたものが非常食になるのでオススメです。
【自分の命を守る方法】
いつ、どこで、どんな規模で起きるかわからない地震の場合、「こうすれば絶対安全!」という答えはありません。
基本的には机の下にもぐり頭を隠す、隠れる場所がない場合はその場でしゃがんで頭を守るダンゴムシのポーズを教えます。
しかし、1981年以前の旧耐震基準に沿って建てられた住宅では、家屋が倒壊する可能性があるので、強い揺れを感じたら建物の外へ避難したほうが安全な場合もあります。お家やよく行く場所がいつ頃建てられたものなのか調べておきましょう。
また、家の中ではキッチンの食器類など、物が落ちてきやすい場所からは離れること、トイレやお風呂に入っていたら、必ずドアを開けることを教えましょう。ドアが変形して、出られなくなることがあります。
【保護者と連絡を取る方法】
お子さまの年齢にもよりますが、覚えられるくらいの年齢の場合は電話番号を覚えてもらいましょう。幼いお子様の場合は、電話番号を書いたメモを持たせておきましょう。
オススメなのが公衆電話です。災害のときでも繋がりやすく、停電している場合でも使用可能です。お子さまがよく行く場所付近の公衆電話の場所と使い方を一緒に確認しましょう。
また、大規模災害発生時には「災害用伝言ダイヤル(171)」や「災害用伝言板(web171)」などの通信サービスがあります。年に数回の体験利用期間が設けられていますので、実際に試しておくといいでしょう。
【三角連絡】
被災地から被災地への電話はかかりにくくなっています。そんなときは三角連絡法を使いましょう。例えば、「震災になったときには、他県に住んでいる親戚の〇〇さんに電話しよう」と家族で決めておき、この親戚の方を介して安否確認を行う方法です。
誰に助けを求めるのか
震災のとき、大人ならだれでも頼っていいわけではありません。大規模災害後は被災地の治安が悪化し、性犯罪や連れ去りなどが発生することが懸念されます。
保護者と離れているときに屋外で被災した場合、どの人なら信頼できるかを子どもが見分けるのは難しいので「困ったり、迷子になったりしたら、警察の人か駅にいる駅員さんに助けを求めて」など、お住まいの地域の状況に合わせて頼ってもよい大人の存在をいくつか教えておきましょう。
また、近所の親御さん同士で、いざというときはお互いの子どもを見守ると話し合っておくのもオススメの方法です。自分が帰宅できないときに子どもを守ってくれる大人(ママ友や、同じマンションの方など)が近所に数人いることが理想です。そのためにも普段から近所の方と信頼し合える関係性を築いておくことはとても重要なことと言えますね。
近くの避難所はどこか、どのルートで避難するかを家族で確認しておきます。地図を見て実際に歩き、古い家が多い場所や、ブロック塀、自動販売機など倒れる可能性のある物を避け、安全なルートを選びます。ルートは定期的に見直し、避難ルートや危険箇所がかかれた地図を、家族に見える所にはっておくとよいでしょう。
いかがでしたか?
今回は震災前に準備しておくべきことをまとめました。いつ、どんな場所で地震が発生するかはわかりません。最近起きた震災のニュースをきっかけとして、自分事として考え、家族と話し合いの時間を作ってみてはいかがでしょうか。